最近、忙しくてすっかりブログを更新していませんでしたが、それでもADPの開発は続けておりその関連で調査をしていましたら、あまりにも程度の低い小説がありましたのでちょっとコメントしてみます。
発端は今から2年前のこの記事になります。
実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです!(みながわけんじ)
よく解らない内容の記事なのですが炎上した記事です。ちなみにこの記事のコメント欄のryoというのは私です。
その後、この小説が書かれました。
高慢と偏見(1)隣は何をする人ぞ
高慢と偏見(2)使徒襲来
高慢と偏見(3)コードレビューは踊る
高慢と偏見(4) 嵐の金曜日
高慢と偏見(5) そして戦いがはじまる
高慢と偏見(6) いつかの誰かのためのドキュメント
高慢と偏見(7) 28日後……
高慢と偏見(8) 敵は身内にもあり
高慢と偏見(9) 誰がスケジュール遅らせた? それはあなたとプロマネは言った
高慢と偏見(10) 夏への扉
高慢と偏見(11) 現実は映画じゃない
高慢と偏見(12) 新人くんのささやかな主張
高慢と偏見(13) 一矢
高慢と偏見(終) エピローグ
大変長い小説で、著者(リーベルG)さんはフィクションと言っていますが、この小説は先の記事に対する程度の低い風刺になっています。
こういうのは捨て置いていたらよいのですが、私も齢40を過ぎ、後輩の方達へきちんと伝えるべきことを伝えたほうがよろしいかと思い何が問題か指摘します。
特定の人物を不当に貶める
一番に聞いてみたいことですが、この小説の著者は名誉棄損または誹謗中傷という言葉を知らないのでしょうか?、この著者(リーベルG)さんはいじめ問題がどのような人間の心理から出てくるかわからないのでしょうか?もっとも今は何を言われても分からないかもしれません。が、まぁ後10年経てば分かるかもしれません。
高慢と偏見の最終話ですが後半は『実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです!。』のパロディと思わせるないようとなっています。
後半の出だしを引用します。
アツコさんから久しぶりにメールが届いた。そこには「面白いもの見つけたよ」とあり、1つのURLが載っていた。
開いてみるとブログだった。タイトルは、
「SEのサバイバル入門」
サブタイトルに「過酷なSE業界を生き延びるノウハウを伝授する」とある。ブロガーは「スリービーチ」。スリービーチ? 3つの浜辺? ひょっとして……
最新の日記は、
「オブジェクト指向など、実業務では使いものにならない!」
このタイトル「SEのサバイバル入門」とサブタイトル「過酷なSE業界を生き延びるノウハウを伝授する」は当時の、
みながわさんのコラムのタイトルとサブタイトルのパロディであることが分かるでしょう。
今のみながわさんのコラムのタイトルとサブタイトルは違うものになっていますが、当時のみながわさんのコラムのタイトルとサブタイトルは、こちらで確認できます。
その他の類似例を表にまとめます。
高慢と偏見最終話 | 実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです! -本文- |
---|---|
staticを使えば、わざわざインスタンスを作る必要などない | 「メンバー関数をstatic宣言すればインスタンス宣言をしなくてもいい」ということ知ってからは、メンバー関数を従来のファンクションのように使っている。 |
独自にクラスを作る必要などない。クラスは使うものだ。作るものではない | 「自分でクラスを作ってオブジェクト指向っぽいことをしている」なんてことはまったくない。 |
オブジェクト指向など、実業務では使いものにならない! | オブジェクト指向は、結局のところホントにモノ(オブジェクト)に使われている記法、例えばGUI コンポーネント、データベース、ファイルなどであって、プログラムのアルゴリズムとは無関係のものである。 |
高慢と偏見最終話 | 実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです! -コメント欄- |
私はT大学大学院卒だ | 私は学部は東北大学で大学院が東工大です。 |
あなたはSIerだろう。私は客側の人間だ。客の言うことは絶対だ | 私はIS部門の人間なんです。SIerの客なんですよ。私に嫌われたらどうなりますか? |
類似点は他にもあるのですが、これを見れば、「高慢と偏見の最終話」にあるスリーピーチ(三浦さん)のブログのモデルは、『実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです!』であり、スリーピーチ(三浦さん)はみながわさんということを示唆していると受け取られても仕方がないでしょう。実際にそのように受け取っている方もいらっしゃいます。
「高慢と偏見の最終話」のコメント欄からいくつか引用してみましょう。
toanna 2011年2月21日 (月) 23:33 (一部引用)まとめサイトというのは『実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです!』の炎上部分を示唆していると受け取れます。
まとめサイトしても読める!!
音速の気功師 2011年2月24日 (木) 01:27 (一部引用)あれというのは誰かは指摘しなくても解るでしょう。
あれが論外なのは言うまでもない事実です。それは認めます。
通して読みました 2011年8月 9日 (火) 19:04 (一部引用)
ただ、途中からコメント欄に書いてある(ネタバレ?)を
見ていて、純粋に読み物として読んでいて、つまらなくなってしまいました。
内容がコメント欄とかぶってくるのか、単に例の人を貶めるような内容として、
読み進んでしまったのが、自分としての反省です。
さて、このコメントでは『例の人を貶めるような内容として、読み進んでしまったのが』と書かれています。
貶めるというのは、本文中の
たまに別のWebサイトのコメント欄に、オブジェクト指向批判を書くこともあった。当然、技術的な裏付けも何もない、思い込みによる批判だから、正論で完膚なきまでに叩きのめされてしまう。正面から議論を展開できるだけの知識がないから、スリービーチさんにできることは、「その日本語はおかしい」とか「若い人はすぐに感情的になるから議論にならない」などと、負け惜しみを書くことだけだった。
という書き込みの他、
ソースを調査したコンサルティング会社のエンジニアは、あまりに効率の悪い前時代的なコーディングに絶句したらしい。そりゃそうだろう。私だって、事前知識なしであのソースを見たら驚く。
「時代錯誤も甚だしい」
「保守性というものをまった考慮していない」
「最低でも6カ月を要する、根本的な大改造が必要」
コンサル会社からの報告書には、このような指摘が続々と連なっていたという。調査の過程で、開発方針が途中で大幅に変更された事実も明らかになり、三浦マネージャは連日のように、専務やら常務やらの前で釈明に追われることとなった。平良さんら何人かの常駐メンバーも事情を聞かれたが、三浦マネージャを積極的に擁護しようとする人はいなかったようだ。中には、あからさまに批判するメンバーもいたらしい。
とか、締めの文章
高学歴で長い経験に自信を持つエンジニアは他人の話を聞かなくなる、というのは広く世に知られた真理の1つである。
三浦技術担当マネージャは、そのようなエンジニアの生きた見本のような人だった。
とか随所にあります。その他いちいち抜き出すことはしませんが、『高慢と偏見の最終話』の後半部分、『そして数カ月後。』からを読んで頂ければ解るでしょう。
ちなみに文中にあります『ポリモリズム』は『ポリモーフィズム』の間違いです。みながわさんは『実はオブジェクト指向ってしっくりこないんです!』のコメント欄でポリモーフィズムを数回、書き間違えておられました。それをもじったものだと推測されるでしょう。
これでは三浦マネージャ=みながわ氏が成立し、特定の人物を貶める内容になっているのではないでしょうか?
その他の例(ポリモーフィズムの例)
この小説は、他にも『三浦マネージャ=みながわ氏』をうかがわせると思われるエピソードがあります。高慢と偏見(3)コードレビューは踊る の『List userNameList = new ArrayList();』にまつわる論争部分です。
これは、以下のコメント欄の論争から取られていることがうかがわされるでしょう。
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/densol/2010/08/post-8443.html オブジェクト指向。教科書と現実のはざまで
このコラムのコメント欄にみながわさんが書き込んでいますが、いきなりAC/DCさんが、みながわさんを批判し、コラム主から注意を受けています。
さて、みながわさん、AC/DCさんどちらがマナーのある人でしょうか?
もちろんですが、みながわさんがstaticが・・・と言い出したらそのときにまた反論すればよろしいかと思います。
さらにflatlineさんが
>たとえば、Javaで、
>List userNameList = new ArrayList();
とコラムの趣旨とは異なる議論を吹っかけています。
みながさんもこれに対して
>ArrayList list = new ArrayList();
>のように基底クラスを使わない例が一般的です。
と応戦してしまっています。
ここで、この"一般的"の趣旨について補足します。まず
List userNameList = new ArrayList();
の書き方はjavaが出た当時はある意味画期的だったのですが(当時そういう風に紹介している書籍もあった)、他の言語では、良くない例とされています。根拠は「Effective STL」に書いていますしCMPさんと同名の方や他の方も「高慢と偏見(3)コードレビューは踊る」のコメント欄に同様の趣旨のことを書かれています。要するにArrayListとLinkedListの概念を統合・抽象化(Listインタフェース)しても意味がないのです(ほぼゴミ)。そのような訳でして実は、C++/STLや後から出てきたC#ではみながわさんが言ったような書き方 し か 出来ません。
これに"一般的"という言葉を使うことが適切かどうかという批判はあるかと思いますが、java以外の”一般的な”オブジェクト指向言語という意味ではまぁOKでしょう。
flatlineさんは「一般的です」という断定の言葉尻をとらえるのではなくてみながわさんが言っていることの意味(というかその背景)をもっと深く、理解する必要があります。
このような状況下で、flatlineさん個人の感想として、みながわさんのことを『話を聞かない人』と思うのは構いませんが、客観的にみると?と思うわけです。
もちろん、みながわさんも『C#では一般的』と言えば話が進んだのでもう少しコメントするときに考えて頂ければとは思いました。
そういう意味では『どっちもどっち』ということになります。
以上を踏まえて、「高慢と偏見(3)コードレビューは踊る」を読むと、ものすごい誤解から一方的に書かれていることが分かるかと思います。私には何が面白いのかまったく分かりませんでした。
(主人公目線で)みながわさんがオブジェクト指向が解らないから『ArrayList list = new ArrayList();』と書かれていますが、ちがうことが解りますよね。
ちなみにこの「高慢と偏見(3)コードレビューは踊る」でも、
「ポリモーフィズムです。ポリモリズムでもポリフォリズムでもありません」
三浦マネージャの顔色が一瞬変わったが、すぐに薄ら笑いを浮かべた。
とポリモーフィズムの間違いのエピソードが出てきています。
以上、『高慢と偏見』がみながわさんのコラムおよびその他のエンジニアライフのコラムの論争のパロディであることをうかがわせるような内容となっています。
このようなパロディは他にもあり、当時の論争を知らない人にはぱっと見て解らないかと思いますが、『高慢と偏見』の本文とコメント欄をみれば、どういうことが解るかと思います。
エンジニアなら技術的な論争があった場合、あくまでも技術的かつ論理的に反論しましょう。相手が聞く耳を持たないと判断する前にもう一度、ご自身の説得力に問題がないか検証しましょう。論争相手を貶めるようなことはエンジニアとしては慎みたいものです。
2012/11/03 加筆、修正
2012/11/06 修正
2012/11/14 修正 質疑応答をアップしました
2012/11/18 コメント欄での指摘を受け、全面改定
2012/12/02 修正
2016/01/31 関連記事をアップしました
2012-11-07 14:51:07
もうちょっとしっかり読んだ方がいいんじゃないの?
高慢と偏見は、オブジェクト指向って素晴らしい、という話じゃないよね。
みながわさんが、人の話を聞く気がないのは、彼のサイトをみれば明らかでしょう。例のコラムでも、都合の悪い質問はスルーするか見当違いの答えでごまかしてるし。
あなたこそ、思いこみで誹謗中傷だと決めつけてる。よく読みもしないで。そういう態度は、エンジニアとして慎みたいものだな。